HERO
「イエロー、あんまり食べるとお昼ご飯に影響が出るので気をつけてくださいね」


気をつけてくださいね、じゃないし。


一番腹立つのはとーまだ。


年長者だろ、運転しなさいよこら。



結局三人ともお菓子を食べて盛り上がってる。


私の怒りは、もう爆発寸前だった。



なのに。



「はい、美亜さんも」



なんていいながら、ポテチをつまんで差し出してくるわんこ。


あの、にこにこの笑顔で。



その姿にキュンとしたなんて、自分が馬鹿みたい。


駄目だ、最近意識しすぎてる。



俺のこと好きになるんでしょ?


その言葉を聞いてから、何だか自分が変だ。
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