HERO
わんこ自身が出した、わんこを好きになるというメチャクチャな提案。


それは嬉しかったけど、それはわんこのその思いやりが嬉しかっただけだったのに。



だから、本当に好きになるとは思ってなかった。


いや、別にまだ好きとかじゃないんだけど。



でも、以前とは確実に自分の気持ちが変わってる。



「ほら、どうぞ」


私がそれを食べるのを、待ってるわんこ。



前方に注意しながら、ゆっくりと口を開ける。


情けないっていうか恥ずかしいけど、私、緊張してる。



たかがこんなことで。


馬鹿みたいだけど。
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