HERO
それは別にいいよ、仕方ない。


だがなぜわんことはあんなに楽しそうに話していたのかな。



まあそれも別に、いいんだよ、いいんだ。



そしてわんこは。


ぼけーっとしながら、外の景色を眺めてた。



本当、何を考えてるのかわからないし、何も考えてないのかもしれないし。



私をこんなに困らせてるくせに、自分は何もなかったような風にしてさ。


ずるいっていうか、腹立つっていうか。



思わずため息をつく。


それに気づいたわんこは、視線を外から私に移した。



「疲れた?」


「別に」



素っ気なさすぎたかな。
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