HERO
いくらなんでも、急すぎるんじゃないかな。


でも、にこにこしてるわんこを見たらそんなこと言えなくて。



「でも」


そう言って、わんこの表情が急に暗くなる。


こんな表情見たことなくて、わんこじゃないみたい。



「千尋に話つけてからね。いるんでしょ、千尋。玄関に靴あった」



確かに、自分の部屋にいるブルー。



私のことが嫌いなブルー。


私を殺したいブルー。



どうしてか、ブルーに無理やりされたこと、何とも思わなかった。


やっぱり私、壊れてんのかな。



「千尋、話あるからでてきて」


ブルーの部屋のドアの前で、ノックしながらそう言ったわんこ。
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