HERO
案外、ブルーはすんなりそれに応じて部屋から出てきた。


冷たい目をして。



「何?」


「何を言いたいか、わかってるでしょ」



わんこがそう言うと、ブルーはちらっと私を見た。


その冷たい目が怖くて、すぐに逸らす。



「わかんねえな」


「美亜さんに、もう二度と触るな」



触るな、なんて。


そんな強く言うわんこはあんまり見たことなくて。



でもそんなの、ブルーには全く効果がない。



「別にお前のもんじゃねえだろ。そいつ、後で殺すんだ、余計なことすんな」


「何言ってんの、千尋...」



さすがに、殺すなんていう言葉に、わんこもたじろいだ。
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