HERO
「むかつく、むかつくむかつくむかつく」


「え、何!?どうしたの?」



この鈍感馬鹿わんこ。


きっとわからないね。



私が、こんなにわんこを好きなこと。



隣に座ってたわんこをそのまま押し倒して、キスしてやった。


だってむかつくじゃん。


私ばっかり、こんなに好きで。



長く、深く、キスをしても、ちょっとの抵抗すらしないわんこが腹立たしかった。


私はこんなに好きなんだよ。


わかってないでしょ。



全然、伝わってないでしょ。



「わんこの馬鹿...」


唇を離した私が放った一言がこれ。



もう、それしか言えなかった。
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