HERO
その人は、私のシャツのボタンを一気に引きちぎって脱がす。



そうそう、早く終わらせちゃおうよ。


そう思って目を閉じた瞬間だった。



開くはずのないドアが開く音が聞こえて、誰かが入ってきた。




誰だ、こいつ。


そう思ったのは、私に跨がっているその人も同じだったようだ。



「誰だ君は!」


目を丸くして、そう怒鳴った。



部屋に入ってきたのは、一人の若い男だった。
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