HERO
ノートなんて、提出しろって言われてようやく誰かのを写すってレベルだ。


何だか頭が痛くなる。



「本当に無理」


「どうしたら約束守ってくれるかな」


「やるなら一人でやってよ、私きっと足手まといだわ」



困った顔で私を見る。



わんこだ、わんこの目をしてる。


やめてほしいな、その目には、多分弱い。



ペットショップで、犬がガラスの向こうからこっちを見ているみたいな。




でも。


このわんこはガラスを悠々とブチ破ってくる。



その唇を、私の唇に重ねる。



「こうしたら、やってくれる?」



別に私の原動力、キスじゃないんだけどな。
< 67 / 441 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop