HERO
何とか、本当に何とか授業を乗り越えた。



「もう限界、寝る」


授業の終わりと共に、机に突っ伏した私。



そんな私を、わんこが、わんこ扱いした。



「よく頑張ったね、よしよし」


よしよし、なでなで。


なでなで。



この私の頭を撫でるとは、100年早いな。


でも今は、何だか心地がいいから無視しておこう。



「あの!」



そのうるさい声で、一瞬眠りに片足を突っ込んだのに引き戻される。


うっすら目を開けると、わんこが何人かの女の子たちに話しかけられていた。
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