HERO
「ばっちり睡眠不足で行ってあげる。さ、行くよ、わんこ」




私はそう言い残して、部屋を出た。



きっと仕事について何か話があったんだろう。


わんこはしばらくしてから出てきた。




「いやー、美亜さんにはびっくりしたよ。まさかあんなに熱弁するなんて」



「別に。なんか腹立ったから」



ふーん、とか言いながらジロジロ私を見るわんこ。



そして急に思い出したような顔をする。




「そういえば、わんこって何?」



ああ、そういえば。


さっき思わずわんこって呼んじゃったんだ。
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