虹色フィルター
細めの鼻筋と薄く血色の良い唇が傾いた。
それだけ本性をさらけ出しておいて、
視線はやっぱりフィルター越し。
触れるギリギリのところで止まって私を挑発する。
レンズの奥に見える細められた目から視線を逸らせない。
胸が破裂しそうなほどに分泌された独特のホルモンが身体中を巡っている。
彼が眼鏡を外してしまったら、
私、どうなっちゃうんだろう。
体と体の隙間がもどかしい。
強引に抱き締めてくれたらいいのに。
そしたら開き直って、
もっと大胆になれるのに。