雫のゆくえ
「やったぜ、最後に先輩3人一気に抜いてやった」
悪びれず、屈託なく笑う彼。
「スゴいね。さすが1年からレギュラー狙ってるだけある」
いつもの調子で軽く話してたけど、
あまりに彼が汗だくだから、自分のタオルを貸そうかと思っていると、
ジャバジャバーー
思い切り蛇口をひねり、頭から豪快に水をかぶる彼。
「お前も頑張れよ!技術あんだから。あとはバスケは攻め気でいかないと」
蛇口を戻し、頭を傾けたまま、私の方を見てそう言う。
「うん、そうだよね」
中学から同じ、でもよく話すようになったのは、中学2年の時。
互いにバスケ部キャプテンになってからだった。
それから、
ずっと互いに励ましたり、グチったり、時には怒ったり、色々な面を二人見てきた。