みみたぶ
みみたぶ
 


絡めて
絡めて
絡めて

身体を
指を
心を


あたしの何もかもに
絡める貴方は
貴方が映るあたしの瞳に
そっと語りかけるの


「なぁ、いいだろ?」


「まだ、ダメ」


頬を赤らめ
純真を演じるあたしに
貴方は優しく髪を撫でるわ


「大丈夫だよ」


「ごめんね」


「優しくするから」


「うん――」


視線を枕に移すあたしに
貴方は温もりを近づけた
少し強引に、
けれども痕はつかないように


「ん―――」


「大丈夫?」


「う――ん」


「――――?」


「これなら落ち着くかも――痛い?」


「――ううん、大丈夫だよ」


快楽を痛みと勘違いしないように


あたしは、貴方の

“みみたぶ”を

唇で咬んだの


一緒に愛を確かめ合いたいから。


痕はあたしが付けたの
貴方だけのあたしで
ありたいから――。


だから、少しだけ
強く感じさせてね。


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