あひるの恋




「佐賀宮先生…どうしてここに?」




驚きに体がすぐに反応できず、ただ其処に呆然と立ち尽くして貴方を見つめてしまった。




思ったほど冷静だった私を見て、ニコニコと笑みをこぼしながら先生は小さな子犬口を開いた。




「実は神崎さんのクラスの担任だったんです。」




ふふふっと口の前に手を持って来て上品に笑う先生は何とも言えない美男だった。




「左から2列目、前から三番目の開いてる席が神崎さんの席だから。」




手の平で開いてる席を指すと、座ってという顔をする。




「はい。」




指定された席にちょこんと座り貴方を見るとやはり笑っていた。




私の隣の席に座っている男の子は無口そうで、とても無愛想な表情をしていた。




ヤンキーってやつなのかな?




感じ悪い人というか、関わりたくない人なタイプかな…。




「朝のHRはこれで終わり~。」




佐賀宮先生はそう言うと、そそくさと教室を後にした。




行ってしまった…。




「アンタ、なんで遅れて来て遅刻になんねーんだよ?」




わ…………、関わりたくない人が関わってきた…(泣)




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