あひるの恋
音楽の桜庭先生
12時を知らせる鐘がなり、午前中の4時間授業はあっという間に終わった。
あの後、助けて下さった音楽の先生の事を忘れられずにいた私は、その先生の事を考えながらお昼を食べるためにあの裏庭へと足を運んだ。
「神崎さん。」
ニコニコとした笑みを見せる佐賀宮先生が、手を振りながらお弁当を片手に立っていた。
「やっぱりここにいると思ってました。」
大体此処、佐賀宮先生が教えてくれた場所なんだけど(笑)
「僕はお昼ここでしか食べないからね~。」
草村に座り、お弁当箱を置くと一気に溜め息が出た。
「お疲れ様、だね(笑)」
確かに人混みが嫌いなのによく4時間目までもったなー…と自分自身も感動している。
「先生も、お疲れ様です。」
ははっと笑う私につられて笑う先生は何とも言えない優しい笑顔をする。
「先生のお弁当、とっても美味しそうで可愛らしいですね。」
色とりどりの野菜が入ってたり、鮮やかな串などが刺さってたりと、とても見栄えが良くヘルシーで美味しそうなお弁当だった。
「何て言ったって、家庭科の教師ですから。」
小さな子犬口で箸をくわえる佐賀宮先生は可愛いすぎです!!
そう言えば音楽の先生の名前聞かないと。
「佐賀宮先生~あの、音楽の先生の名前を知りたくて…//」
「あぁ~…桜庭先生の事かな?」
モグモグしながら答えて下さった佐賀宮先生。
へぇ…桜庭先生かぁ……///
格好良かったなぁ~。
眼鏡かけてたし、でも冷めてたけど。
「もしかして、一目惚れ?」
クスクスと笑う先生。
いえ、私は佐賀宮先生に一目惚れしてるんです。
とは、言えない(笑)
「神崎さん可愛いんだから、もっと自信持っていいと思うよ?」
佐賀宮先生…///