スーツ脱いで、ネクタイ緩めて
先生と生徒




「先生、私の事好き?」




かーっと頬を真っ赤にして、ズレた眼鏡をくいっと戻すと…




「ば、馬鹿っ…先生をからかうなっ!!///」




出ましたツンデレ教師(笑)




可愛いすぎ…。




好きなんでしょ、私の事。




「じゃぁ、どうしていつも帰り呼び止めて音楽室寄ってけ何て言うの?」




呆れた顔で私は言う。




本音は答えが知りたくてしかたがないんだけど(笑)




「そ、それは…っ///」




透明な眼鏡のレンズ越しから涙が出そうなくらいウルウルした子犬目と、何か言いたくて、でも何も言えなくてムズムズしている子犬口。




そのへんの甘くない林檎より染め上がった真っ赤な頬。




身長がいつストップしたかは知らないけど、私よりも小さく、歳のわりには彼女すらいなければ、彼女は一回しか作ったことがないらしい。




そのルックスなら、周りの女の子がほっとかないんじゃない?




「少し正直になったらどうです?」




綾部先生と初めて喋ったのは、体育祭の借り物競争の時で、私が紙を開くと、“眼鏡をかけていて、身長が小さい男の先生”と書いてあったのがきっかけ。




絶対、綾部先生を好きな人が自分に当たるようにと願って借り物競争紙に書いたんだろーけど。




私は、借り物競争で綾部先生を借りた。




周りを見渡して一番近くにいたのが綾部先生だったから。




綾部先生は、30後半のオジサン。




私に手を取られ、必死に眼鏡のレンズを曇らせて精一杯走った。




そして堂々と一位をとった時の綾部先生のピースと笑顔。




満面の笑み。




私の初恋。




淡い味。




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