微かな明り
「課長、お疲れでしょう?忘れ物、私がとってきます。机にありますか?」
「ん、いや…お前じゃとりに行けない」
「そ、そう…ですか。すみません、出過ぎたこと言ってしまって…」
答えながら、
私ではダメだと、
私は必要ないと言われたようで、
哀しくてうつむいた。
サラリ、長い髪が私の表情を隠してくれる。
薄暗さが、私の心を隠してくれる。
せっかく課長に会えたのに、なんだか哀しいなんて…。
「お前がここからいなくなったら、わざわざ帰りに寄った意味がない」
「ーえ?」
突然の思わぬ課長の言葉に少し顔を上げる。