ご奉仕ワーリィ
貪る風な唇の混じり合いの中、軽く薄目を開ければ、彼の端整な顔立ちが間近すぎてすぐに目を閉じてしまう。
どこに目をやってもドキドキしてしまうので、視界を閉じるしかない。
水分が多い音。擦れる衣の乾いた音。ベッドが軋む鈍い音。
熱かった。汗ばみ、首筋を辿った汗でさえも敏感に感じてしまう。
お尻側までも濡れが行き届いて、ふと、またシーツを洗うあの侍女にからかわれるんだろうなぁとやけに現実的なことを考えても――彼の舌使いが、私の思いを奪ってしまう。
思考も、自我も、感情も、彼以外考えられない、他がどうでもよくなるほど、私は彼が好きだった。
そんな愛しい人が、こうして恋人たちがする愛の真骨頂(表現)にいそしんでくれているのだから、なおのこと思いが大きくなり、胸から破裂しそうだ。