ご奉仕ワーリィ
我慢はできるけど、これで行ってしまう彼に対して寂しさが出てきてしまう。
舌と指では届かない奥が疼いているような、熱を持ったまま火照りが体全体に行き渡る。
行かないで、と言いたい。けど、彼はきっと行ってしまう。
「もうお休みになられた方がいいですよ。明日は隣国のフィスト王との面会が」
「あの人、嫌い……」
「嫌いって、あなたの夫となる方でもあるのですから。あまり滅多な口を聞かない方がいいですよ」
だから嫌いなんだと心で付け加えた。
一国の王女など、所詮は肩書きでしかない。早くに両親がなくなり、血縁だから私に王位が回ってきただけで政治やら何やらは別の誰かがやってくれている。
私は、国のお飾りでしかない。
トップはこの人であると、治安維持と平和のシンボルとして私がいるだけで、私は何もしていないし、何もできていないんだ。