アンバランスな手首

 就業間近に頼まれた残業を済ますと、部屋には殆ど人はいなかった。
 当然、彼も。

 でも、いたからって。
 だからって、どうってわけでもない。
 きっと彼には可愛い彼女がいて、彼の全ては彼女のものなんだろうし。

 だから私は、見るだけ。
 しかも盗み見。


 そんな、ポジション。



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