伊坂商事株式会社~社内恋愛録~
「よし、決まりだ。じゃあ、そういうことで進めよう」
倉持課長は満足そうな顔をする。
私は焦った。
「ちょ、ちょっと待ってください! え? 何? 決まったんですか? え? 私、ほんとに課長と結婚することになったんですか?!」
「『はい』と言ったじゃないか」
「いや、それは」
「こういうことは勢いに任せた方がいい時もあるしな。と、いうことで、次の休みにでも式場を探しに行こう」
「えぇ?!」
「あぁ、その前に、東村のご両親にも挨拶をしなければ。忙しくなるな」
泣きたくなった。
でも、倉持課長は笑っている。
その顔を見ていると、やっぱりもういいやという気持ちになってきて。
「課長がこんな人だとは思いませんでした」
「俺も俺がこんな人間だとは思わなかったよ」
少し呆れて、そしたら何だか私まで笑えてきた。
胃痛はいつの間にか消えていた。
「浮気したりご飯残したりしたら、許さないです」
私の言葉に、倉持課長は「そうだな」と、返事にならない返事で言って、また笑う。
倉持課長は、よく見たら、笑うと優しい顔になるらしい。
それをちょっと可愛いとか思い始めた自分がいて。
とにかくなぜか、私は会社を辞めて、倉持課長と結婚することになったらしい。
END
倉持課長は満足そうな顔をする。
私は焦った。
「ちょ、ちょっと待ってください! え? 何? 決まったんですか? え? 私、ほんとに課長と結婚することになったんですか?!」
「『はい』と言ったじゃないか」
「いや、それは」
「こういうことは勢いに任せた方がいい時もあるしな。と、いうことで、次の休みにでも式場を探しに行こう」
「えぇ?!」
「あぁ、その前に、東村のご両親にも挨拶をしなければ。忙しくなるな」
泣きたくなった。
でも、倉持課長は笑っている。
その顔を見ていると、やっぱりもういいやという気持ちになってきて。
「課長がこんな人だとは思いませんでした」
「俺も俺がこんな人間だとは思わなかったよ」
少し呆れて、そしたら何だか私まで笑えてきた。
胃痛はいつの間にか消えていた。
「浮気したりご飯残したりしたら、許さないです」
私の言葉に、倉持課長は「そうだな」と、返事にならない返事で言って、また笑う。
倉持課長は、よく見たら、笑うと優しい顔になるらしい。
それをちょっと可愛いとか思い始めた自分がいて。
とにかくなぜか、私は会社を辞めて、倉持課長と結婚することになったらしい。
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