幼なじみとの距離
「おおっ…!やっぱり千にぃお洒落だな!いや、俺これ結構いけるんじゃね?」
鏡の前、1人で興奮気味に上機嫌な舜ちゃんとは対象的に、不機嫌にベッドの上に座る私。
「なぁ、ちぃもそう思わね?」
「……全然」
「全然って…酷くね!?つーか、さっきから何怒ってんだよ?」
「別に怒ってないけど…。それより何でわざわざ私の部屋で着替えるの!?」
突然、部屋に入って来たと思ったらシャツをただ羽織っただけでボタンなんて1つも止めないで来て、いきなり鏡の前を陣取った舜ちゃん。
本当に怒ってる訳じゃない。
だけど、複雑。
「だって、おばさんが全身見れる鏡が有るのがちぃの部屋だって言うから」
ママめ…余計な事言って!!
1歳年上の舜ちゃんとは私が産まれた時からずっとお隣さん。
つまり幼なじみ。
しかも、母親同士も幼なじみで、私のお兄ちゃんも合わせて、それこそ兄妹みたいに育って来た。