幼なじみとの距離
「…ちぃ、もしかして…それって焼きもちか?」
「えっ…!」
「だって、お前の言い方だと…」
「ち…違うもん!」
幼なじみの妹のようでしか無いことはは悲しいけど、私の気持ちがバレて一緒に居られなくなる事はもっと辛い。
だから否定してみたけど…
「ちぃ、手退かして」
「やぁ~…!」
私の言葉なんて無視で、無理矢理手を引っ張られて退かされて、目の前にはまた舜ちゃんの顔。
「あーあー、結婚式の前に泣きすぎだろ」
「不細工だから見ないで~…」
指で涙を拭ってくれる舜ちゃんに酷い顔を見られたくなくて顔を隠したくても、手はしっかり握られたまま。
「不細工なんかじゃねぇよ」
「嘘!絶対に変な顔してるもん…」
「嘘なんかじゃねぇ。小さい時も泣き虫だったけど、今も…」
「子供扱いしないで!!」
頭を撫でる手を払い退けて、びっくりしてる舜ちゃんに強く言い放つ。
「私…子供じゃない。舜ちゃんの妹でもない!舜ちゃんは私の事なんて何とも思って無くても私は…っ!」
今、幼なじみとしてでも一緒に居られるなら我慢しようって決めたばかりなのに…舜ちゃんの手の優しさと言葉に頭と心がバラバラになって、感情が先走っちゃって、言ってから後悔した。