幼なじみとの距離

「…誰が妹なんて言った」

「ぇ…」

「お前の事、妹だなんて思ってねぇよ」


聞いた事も無い位低く冷たく聞こえる声。


妹と思って無いって…私があんな言い方したから嫌いになっちゃったの?

怖い…舜ちゃんに嫌われたかもしれない。


「顔上げろ、ちぃ」

「…………」


顔を上げて舜ちゃんの表情を見て、嫌われた事を認めるのが怖くて、キュッと唇を噛みしめる。


だけど、それは無駄で、顎に手をかけられて顔を上げさせられたからギュッと目を瞑った。


「…何で、目閉じてんだよ、千夏」


普段なら舜ちゃんは絶対呼ばない私の本当の名前。


小さい頃から私は千夏(ちなつ)だから“ちぃ”お兄ちゃんは千里(せんり)だから“千にぃ”って呼んでた。


それにびっくりして目を思わず開けてしまった。

目の前には真剣で、だけど、ちょっと苦しそうな舜ちゃんの表情。

どうして……?



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