恋のち涙
………って、いっけない!!



見とれてる場合じゃなかった!!!



私、今遅刻しそうになって急いでるんだったぁ〜!



ちくしょうっっ。
これで急いでなかったら、ずっと眺めてられたのにぃ。



頭の片隅でそんなことを思いながら、さっきの余韻なんてないくらい素早く起き上がり


「ゴメンなさい!!」
一言叫んでから、また桜並木を走り出す。




当然、“あ…あの…”って、後ろで心配そうに声をかけるのなんて聞こえるわけもなく
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