くすぐったい、…でも 【密フェチ】
くすぐったい、…でも
ぴくんっ、と肩が思わず跳ねた。
甘い吐息が漏れそうになり、必死に押し殺す。
周囲には幸い、気づかれなかったみたいだ。
だけど、彼にはバレてしまったはず。
あたしの右隣に座り、意地悪な指先で翻弄してくる彼には――
「この席、いい?」
「あ、はい」
1年前、大学の講義で隣に座った彼と友達になった。
手がキレイな男の子、それが第一印象。そして、強く惹かれた理由だった。
節の張った長い指も。手の甲にうっすらと浮く太い血管も。
イケない想像をかきたてられる。
あたしを、いやらしい生き物にする。
そんな彼との友達関係が変化したのは、今から2ヶ月前のこと。
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