名前を、呼んで。





『 ほんとに? 』





不意に放たれたタメ口に

ビリリ、と
全身を電流が走った。

余韻は、……甘美。




”まったく最近の若い子は…”なんて

普段だったらお説教のひとつも垂れるところ、なのに。



どうしてだろう

不快じゃない、なんて。



ううん、それどころか―…





「主任、また昼抜き!?…大丈夫?」

「お、スカート可愛いっ!」



あれから、ふとした拍子にこぼれる気安い物言いに―…腰が砕けそうになるの。

急に、…距離が、近くなる気がして。
思わず自分を抱きしめてしまう。




―…もっと、言って。



そんな風に感じる
自分を、止められない。




「主任ー…」





胸が、苦しい。





―…ねぇ、ワザと?






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