愛初あいぞめ〜おいしくっフルーツパフェ!<短編集>
「 オレだよ…。 」


へ?
誰だよ?
ドアノブを持ったまま
相手の顔をみた。


「 オレ… あれ?
あんた… 誰? 」


「 誰ってオレが聞きたいよ! 」


すんげぇ、酒くさい!
オレまで酔いそうなくらいに。


「 オレって、
間違えたみたいだなぁ。 」


それだけ言うと
誰だかわからない男は
オレの部屋の前で寝てしまった。

部屋に入れるわけにいかないし、
悩んだけど…110番した。


パトカーがアパート前に停まって、
アパートの住人が出てきて


「 上白滝さん、
何かしたのか? 」


「 してませんよ。
間違えてオレの部屋にきて、
ドア前で爆睡だからさ。 」


警察官と
オレが話をしていると、
詩絵良が泣きそうな顔で立っていた。


「 やっぱり会いたくて、
ここにきたら…
パトカーあるし、
ドアの前に警察さんがいるし、
頼智に何かあったのかと…。 」


オレの前で
ヘナヘナ座り込んだ。


「 私だけ頼智に会いたいって
思ってるんだと思って
試すようにしちゃったから…
私への罰だね。 」


「 オレだって詩絵良に会いたくてたまらなかったんだよ。
オレが素直に言えてたら良かったのに…
オレこそ、ごめんね。 」


オレにしがみついて
ホッとした顔でオレを見ている。

やっぱり!
詩絵良が大好きだ!!


「 ねぇ、頼智。
一緒に暮らそうよ。 」


オレは
その言葉に感動して
泣き出してしまった。


あはは…
オレって幸せだわ。





end
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