愛初あいぞめ〜おいしくっフルーツパフェ!<短編集>
「 美柑!
何しにきたんだよ…。 」


「 べっ、
別に迎えにきたんだけど…
なんでそんなに
怒っているの? 」


「 美柑には関係ないだろ!! 」


それから高滝は何も言わなかった。
私はとりあえず隣に座った。

高滝が何も言わないから、
私も何も言わなかった。



授業が始まるチャイムが聞こえた。


でも高滝が動かないから、
私も行かなかった。


「 美柑、教室に戻れよ! 」


「 なんで?
今さら戻れないよ。
高滝が一緒に戻るなら戻るよ。 」


その言葉をかわしてから
高滝は私を静かに見ていた。


「 なぁ… 美柑。
お前は声をかけてくれたら、
誰でもいいのか? 」


「 誰でも良いわけじゃないけど…
今は彼氏がほしいの。 」


私の声の大きさが目立つくらい
高滝は静かにゆっくり語っていた。


「 好きでもない奴と
つきあって楽しいと思うか? 」


「 誰ともつきあったことないからわかんないよ!
じゃぁ…
高滝、今彼女いないよね?
教えてよ、私に。
つきあって楽しいかを。 」


私が言葉を伝え終わると立ち上がり


「 とりあえず教室に戻ろう!
放課後ここにきて話の続きをしようか。 」


私はなぜか
ここから離れたくなかったし、
高滝からも離れたくないって気持ちが高まっていた。

立ち上がらない私をみて
行こう!と言われてるように手を伸ばしてきた。

その手に触れてしまったら…
私は何か変わりそうな気がした。

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