愛初あいぞめ〜おいしくっフルーツパフェ!<短編集>
「 苺子!
ママの大切なマンガ返してよ!!
…
あれ?
何、どうしたの?
顔やたらニヤケてるわよ。
何かあっの? 」
「 ママ!
ドアを開けるときは
声くらいかけてよね!! 」
机の上に重ねてあったマンガをママに渡して
赤くなっている顔を隠すように下を向いて
「 ありがとう、ママ。
またちがうマンガ貸してください。 」
ドアの外へママを追い出すように伝えた。
ママからのマンガは
私にとって教科書だった。
私のハツカレ郁水くんは
ママのマンガに出てくる男性たちに似ていた。
先週、
香麻もカレがいるから聞いてみたの
「 私ね
郁水くんのしてくれることが
みんなドキドキしちゃうんだよね。 」
「 えー、
香麻、
そんなことされたことないし…
きぃくんは1つ年上なだけだから、
車の免許ないからね。
でも…
いいなぁ、苺子は
お姫さまだね。 」
「 うん?
私、お姫さまなの? 」
「 うん!
かわいいね、苺子。 」
郁水くん
私、
ゆっくり大人になっていっていいかな?
一緒にいても
妹としか思われないけど、
いつかとなりにいても
おかしくない女性になるからね。
「 郁水くん…
ずっと私となりにいてもいい? 」
「 もちろんだよ。
オレには苺子と
苺子が大好きな甘いキャンディが絶対に必要だよ! 」
「 えー、
キャンディと一緒なの? 」
「 このキャンディが無かったら
オレたち一緒にいないだろ? 」
私はピンクの袋に入っているキャンディ!
この甘い恋は
ずっとずっと甘く続いていきますように…。
「 それにしても
甘いよね! 」
end