その全てで私を愛でて


リビングへ入ると直ぐに、
スーツの上着を脱いで適当にソファーに掛けると、
ネクタイに手をかけた彼。


シュルッ……

彼の男性らしくない、細くてしなやかな指が、慣れた手つきでネクタイを外す。


再びキッチンに立つ私は、
野菜をお皿に盛り付けるフリをして、さり気なくその姿を見つめた。



あぁ~

早くあの指に触れられたい……



私はその指に翻弄される自分の姿を想像して、体が熱くなるのを感じた。
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