甘い夜、苦い朝
 
「朝ご飯は食べないんですか?」

「食べれないー!」
 

ご飯食べる余裕があるのなら、私はぜったい、君を選ぶ。
 
でもきっと、そんなことをしたら本当に遅刻する。


「ごめん、散らしたままだけど」

「いいですよ、後で片付けますから」
 

私は、君のそのことば遣いが、好きで、好きで、好きすぎて。
 
一緒に住んだ途端、変わってしまったらどうしようかと不安だったけれど。
 
今では変わらない君を恨めしく思う。


「いってくる!」

「茜さん」
 
そしてこの日課も。

「いってきますのちゅーは?」
 
おかげで、会社でどれだけ辛い時間を過ごしていることか。


「……いってきます」

「いってらっしゃい」
 
君はきっと確信犯。
 
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