甘い声と笑顔に溶かされて
甘い声と笑顔

「梓?どうしたの?」


友達の呼ぶ声なんて聞こえない位に、今のあたしは1人の歌声に惹き付けられてる。


「イケメン揃ってるから!」と無理矢理友達の実紗に連れて来られた合コン。

当然、やる気なんてあるハズもなくて、皆はカラオケやら喋るのに夢中になってて、飲み物もカシスオレンジとかほとんどジュースとしか思えないようなお酒を頼んでるなか、1人だけビールを注文。

多分、この時点で軽く男には引かれてる。


それでも、たまに話しかけて来る男の子も居たけど、初対面の癖に名前で呼んで来るのがウザくて、軽く無視。

それをフォローする実紗に睨まれながらも頭の中は早く帰りたいって気持ちでいっぱいだった。


――そう、さっきまでは…。



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