甘い声と笑顔に溶かされて

「………!!」


――ガッシャン!!


一瞬、彼と視線がぶつかって、しかも綺麗に微笑まれて、持ってたグラスを落としてしまう。


「ちょっと梓!?」


実紗が言うけど、金縛りに合ったように動けないあたし。

視線の先には驚いたような顔をしながらも歌うのを止めてこちらに近付いてくる彼。


「大丈夫!?」


もう目の前、彼は心配したように言う。

だけど、あたしは声が出なくて――



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