甘い声と笑顔に溶かされて
「ちょっと梓ってば!!すいません…」
「ううん、梓ちゃんっていうんだ?怪我無かった?」
座ってるあたしに目線を合わせて、真っ直ぐ見つめて安心させるように微笑む彼は超至近距離。
イケメンだからって簡単に恋になんて落ちる訳ないと思ってた。
初対面で名前で呼ばれるなんてウザいだけのはずだったのに…
溶かされる時は瞬きも出来ないくらいに瞬間的。
そこら辺の女子になんて負けない位に綺麗な顔の笑顔。
「梓ちゃん?」
「っ……」
返事をしない私にもう一度呼ばれた名前が甘く耳に響く。
その低くて優しい甘い声に名前を呼ばれた瞬間――
一瞬にして完全に堕とされた―――…。
*END*