【密フェチ】切ない指先
「手、綺麗だよね」
「また言ってるよ」
「だって、私、手フェチだもん」
「てか、俺の手だけが好きなわけ?」
「ううん。全部、好きだよ」
でも彼の中で1番好きなところは、やっぱり手で……。
キスをする時、私の長い髪を後ろに流す手。
セックスの時、身体中を這う彼の優しい指。
それだけで、胸がキュンとしてイってしまいそうなってしまう。
そんな幸せが、ずっと続くと思っていた。
彼は地元に残り就職し、私は大学進学のために地元を離れ、そのまま就職した。
離れていても大丈夫だと思っていた。
でも、幸せは長くは続かなかった……。