高2LIFE



「ありがとう。初めてそんなこと言われたよ。 でも、そんな褒めても何も出てこないぞ」

ふざけていうと、

「な、なにも期待してないよ!!」

木戸さんは焦った表情でそう応えた。

テニスの魅力についての話はとっくに忘れ去られてしまって、他のいろんな会話をした。

そのうち、いつの間にか木戸さんの最寄り駅についた。

「ここでいいよ。ありがとう」

改札口を出る前に、木戸さんは嬉しいそうにそう言ってきた。

でも、彼女に興味を持ち始めたばかりでさよならをするのは悔やまれると思ったので、少し恥ずかしかったが

「いや、まだ話したいし、木戸さんのこともっと知りたいから送っていくよ」

と言って、無理矢理改札口を出た。



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