跪いて、愛を誓って【密フェチSS】

彼の最初の告白に縋るほど、わたしは追い詰められていた。


あの時、彼の言葉を拒めなかった。

わたしも彼を愛し始めていたからだ。


いつの間にか一年が過ぎていた。

もっと、確かなものが欲しいと思うのは我侭だろうか。



わたしより肌理が細かい滑らかな肌に無意識にため息が漏れる。


これ以上、わたしを待たせないで。


くせっ毛の柔らかい髪に指を差し入れ、ちょっと意地悪く絡めると、彼は小さな呻き声をあげた。


そして、ゆっくりと身体を起こしてわたしを見詰めた。

「起きてたんですか?」


少し甘さが残る掠れた声に、繋がっている時のような胸の疼きが蘇った。



< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop