お嬢様は執事様!
まずはこの紙袋の中を見てみよう…。
ガサガサッ
袋をあさると中からスーツが出てきた。
完全に男物だ…。
全体的には黒色だけど金の刺繍が
あしらってありどこか上品さを感じた。
いま考えるとパパや佐々木さんが
隠してたのはこのことだったんだろう。
袖に手を通しスーツを着て
鏡を見てみると完全に“男”な
あたしが立っていた。
「お嬢様、たいへんお似合いです。」
そう言って運転手さんは誉めてくれるけど
喜んでいいのか悪いのか…。
なんか複雑な心境だな。