天神学園高等部の奇怪な面々24
シンと静まり返った学園内は、大の男でも震えが来るほどの不安を感じさせる。

臆病な花音では、泣き出してしまいそうなほどの恐怖に違いない。

「もしかしたら…」

ポツリと花音が呟く。

「拓ちゃん先に帰っちゃったのかなぁ…?」

そこはもっと早くに気付きましょう。

ようやく行き違った事に思い至ったものの。

「でも…ふえっ…」

ウルリと瞳に涙を滲ませる花音。

「暗いから…怖くて一人で帰れないよう…」

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