天神学園高等部の奇怪な面々24
カラスを追いかけるうちに、渡り廊下へと出ていた。

夜気で冷えた風が吹く、校舎内とはまた違った空気の場所。

「…っ…」

息を呑むような冷たい空気に、思わず花音が怯えて立ち止まる。

先行するカラスは何も感じていないのか、立ち止まった花音を振り向く事なく、先へ先へ。

怖い。

しかしこのままではカラスを見失ってしまうだろう。

こんな場所に置き去りにされては、もう一歩だって進めない。

「ま、待ってよぅ…」

勇気を振り絞り、花音は渡り廊下へと出て行く。

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