天神学園高等部の奇怪な面々24
悪寒を感じたのはその直後だった。

「っっっっっ!」

訳も分からず振り向く花音。

…そこに、それはいた。

床から起き上がるように、ヌルリと姿を現す黒い物体。

ゆっくりと隆起するそれは、鎌首をもたげる蛇を連想させた。

眼もない、口もない、生物らしきものは何も表面に存在しない。

そもそも、生物かどうかさえ分からない。

こんな生き物を見る事自体、普通の人間でしかない花音は初めての事だった。

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