天神学園高等部の奇怪な面々24
そんなこんなで放課後居残り組がキャイキャイ騒いでいるうちに、すっかり日が沈んでしまった。

「……」

いよいよ夏本番になろうかという日中の日差しも、太陽が隠れてしまった夜の世界には届かない。

冷気さえ感じさせる暗がりの中、天神学園用務員の小岩井 防人(こいわい さきもり)は歩いていた。

昼間は生徒達の笑い声で賑わう廊下も、今は小岩井一人しかいない。

懐中電灯すら持たず、足音だけを響かせて歩を進める小岩井。

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