天神学園高等部の奇怪な面々24

どういう経緯で、誰にでも存在する影が意思を持ち、人間を捕食するようになるのかは分からない。

そもそも生命ではない影。

しかし太古より人間は、松明の灯りによって照らし出される影に怯え、臆病になるあまり影から居もしない怪物を連想し、どこまでも追いかけてくる影に殺人鬼を空想した。

影とは人間を恐怖させるもの。

そんな人間の逞しい想像力が、本来生命を持たない影に独自の意思を与えたのかもしれない。