天神学園高等部の奇怪な面々24
同じ影であるバルナも、この学園にどのくらいの影が侵入しているのかは分からない。

文字通り『影』だ。

相当接近してこなければ気配も感じられないし、足音や体臭、息遣いがある訳でもない。

「悪霊相手よりも厄介かもしれませんね…」

踵を返して屋上を下りていく小岩井。

「よろしいのですか?小岩井さん」

バルナが訊ねる。

「死神の仕事ではありませんから…くたびれ儲けにしかなりませんよ?」

「…住み良い学園の方が、『彼女』も安心していられるでしょう…妖らしからぬ怖がりですから…」

小岩井は振り向かずに言った。

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