天神学園高等部の奇怪な面々24
悲鳴も鮮血もない。

黒い布が裁ち鋏で切られたように。

ヒラヒラと床に落ちた影達は、溶けるようにその亡骸を消滅させていく。

命ある者を葬ったという感覚に乏しくなるが。

「バルナ先生…」

目の前で同族を殺めたという罪悪感からか、小岩井は言葉を紡ぐ。

「言ったでしょう?影には仲間意識はありませんから…気に病む必要はありません」

バルナは別段咎めるでもなかった。

「私が仲間意識を感じるのは、天神学園の関係者にだけです」

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