天神学園高等部の奇怪な面々24
過剰な緊張がほぐれた途端、善は微細な空気の違いに気付いた。

姿は見えない。

声も、音さえも聞こえない。

しかし、『居る』。

特殊な能力を持ち合わせていない善だが、一流の剣客のみが持ち合わせる洞察力が、接近してくる不穏な気配を感じ取っていた。

「…さて…魑魅魍魎の類と相対するのは初めてだが…」

握り締めた菩薩を一寸抜く。

「やるからには全力を以ってお相手しよう…姿を見せろ、人外…!」

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