天神学園高等部の奇怪な面々24
菩薩に斬られるというよりは、善自身の『剣気』に霧散するように。

影達は滅した。

駆け抜けた一陣の風。

善は立ち止まり、手にした菩薩を納刀した後。

「っはぁ…はぁ…はぁ…」

またもガクリと膝をつく。

極限の緊張により消耗したか。

思えば学園で本来禁止されているものの、命のやり取りをしたのはこれが初めての事だった。

だが、死闘は男を磨く。

実体なき人外をも斬る剣客。

彼が次期宗主の師として、一つの課題を修めた事には違いない。

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