笑顔の向こうに
プロローグ
今夜も、風は心地良い。
寝る前にこっそりと窓を開け、吹いている風に当たり眠気を沸き立てるのが、アタシの日課。
夏だろうが、冬だろうが、それはどっちでも同じ事。
夜の風は絶対に澄んでいて、車の排気ガスの汚さなんて感じない。
昼とは違う、あの心地よさ。
もしかすると、夜は暗いから心が落ち着いているのかもしれない。
そんな事を思いながら、いつものように窓を開けた。
その日だけ違ったのは、