笑顔の向こうに
何かを聞くたびに、島崎が大人びている事を感じる。



同い年の中学2年生だって言うのに。




「あ、あのさっ」



「あ?」



「毎日来るんだったら、ココに来てよ!日課だから開けるしさ」



自分の口から、そんな言葉が出てくるなんて思わなかった。



「あッ・・・ごめ」



「考えとく」



訂正しようと思ったけど、島崎からの返事の方が早くて。


急に、顔がカッ、と赤くなった気がした。




「あ、明日学校でねー!」



隠すように大声で呼び止めると、



「近所めーわく」


小声で言い返してきた。




島崎が姿を消してから、何故か、心臓が圧迫されたように痛い。



こんな苦しい感覚に襲われるなんて、思ってもなかった。




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